代表挨拶

 現在、リチウムイオン電池は多くの分野(モバイル機器やハイブリット車等)に活用されています。また、リチウムイオン電池の活用の幅は電気自動車や大容量蓄電装置などさらに広がることが期待されています。この期待にこたえる為には、リチウムイオン電池の高容量化が不可欠であります。

 現在、リチウムイオン電池に用いられている正極材は、コバルト酸リチウムをはじめとする無機材料で構成されており、この延長線上の技術では、リチウムイオン電池の抜本的な能力アップは見込みにくい状況です。そこで、重い無機材料ではなく軽い有機材料を電極に用いることで高容量電池の開発が進められています。理論上、硫黄を用いた場合、軽く、容量の大きい正極材となることは公知でしたが、一方で、硫黄は分解劣化や絶縁性そして電池反応の遅さなどの問題点があり電極に用いることが困難な状況でした。

 そこで私は、分解劣化せず、導電性があり且つ電池反応の速い硫黄の分子設計を行うとともに、その分子の化学合成を行い、硫黄導電性高分子「ポリチオン」を開発いたしました。まだまだ、開発段階ではございますが、このポリチオンが実用化そして事業化することでリチウムイオン電池の高容量化に寄与できると考えております。

 株式会社ポリチオン(Polythione)の社名は、リチウムイオン(Lithium ion)と硫黄ポリマー(Thiopolymer)に由来しております。

 株式会社ポリチオンは、独自に開発した硫黄ポリマーでリチウムイオン電池の更なる発展に貢献します。



2009年12月
株式会社ポリチオン代表取締役社長
上町裕史